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コラム2023年03月20日

ぬか床博士が語る!こだわりのぬか床容器「ぬかどこボックス」開発秘話

前回のコラムでご紹介した新製品のぬか漬け容器「ぬかどこボックス」。
初心者でも簡単にぬか漬けができるように、たくさんの工夫が凝らしてあります。
今回はそんな工夫がどうやって生まれたのか。そのこだわりの数々を開発者にインタビューしました。

開発者は、試作と研究に熱中するあまり"ぬか床の専門家レベル"にまで達し、一部の人から「ぬか床博士」と呼ばれるまでになった深澤孝良さんです。

どうして、このぬか床容器をつくろうと思ったのですか?

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最近の発酵食品ブームで、スーパーなどで袋入りの発酵済みぬか床が売れているのを私も知っていました。これ一つあれば、好きな野菜を入れるだけで、すぐに美味しいぬか漬けが楽しめていいな...と興味をもっていました。

ぬか漬けの最もハードルが高い所は、一から材料を揃え、ぬか床を作って育てていかないといけないというところですが、これを使うだけで、それを越えられる!しかもクセがなく美味しい。

ただ、人によっては気になるところがあると聞きました。その部分を解消できれば、より使い勝手が良くなると思い「ぬか漬け容器の決定版」を作ろう!と決心しました。

具体的にはどのようなところが気になったのですか?

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ぬか床には塩分が含まれているので、野菜を漬けると浸透圧の作用で野菜から水分が出ます。そのままぬか床を使っていると水っぽくなります。

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そこで「水抜き」をするのですが、キッチンペーパーなどで吸い取ったりするのが面倒に感じる方がいるようです。

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これは以前、オークスで作っていたぬか漬け容器です。一般的なタイプで、隅に水抜き器を沈めて使います。
水が溜まったら、ぬか床から水抜き器を抜き取って水を捨てたり、よじったキッチンペーパーやティッシュペーパーを水抜き器に入れて吸わせるんですが、これも面倒ですよね。

水抜き器の近くと離れた場所でぬか床のコンディション(水分量)が異なるのも、「ぬか床博士」としては気になります(笑)

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ぬか床は"生きて"いるので、かき混ぜるお手入れが必要です。
手がぬかだらけになり、洗っても落ちにくかったり、塩分があるので手荒れや切り傷がある方は辛いですね。
ネイルやマニキュアをしている方は、それもためらわれるそうです。

一番のこだわりポイントは?

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美味しいぬか漬けを作るためには、ぬか床の適度な水分量が重要です。野菜から出る水分でぬか床が湿ってきたら水抜きが必要ですが、それが面倒くさい...

そこで容器本体を二重構造にし、内容器に水抜き穴をつけて、余分な水分を外容器に自然に落とすことを考えました。
外容器に水が溜まったら、ワンタッチで内容器を外してサッと捨てられます。

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水抜き穴(スリット穴)は内容器の底面全面につけているので、ぬか床全体の水分量を一定に保てるのも自慢です。

さらに容器本体だけでなく、しゃもじやフタに至るまで、全部のパーツにこだわりポイントが満載です!

それでは、他のこだわりポイントも教えてください

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専用しゃもじを付けました。
ぬか床は頻繁にかき混ぜて、お手入れしてあげる必要があります。ぬか床の上下をひっくり返すように、底からしっかりと掘り出すようにかき混ぜるのがコツです。
その時にぬかが手に付きにくいように柄を長くしました。

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隅々までかき混ぜやすいように、しゃもじの先端のカドと内容器のカーブを合わせてシンデレラフィットです(笑)

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さらに、しゃもじ先端の中央は平らにしているので、容器の内側に付いたぬかもこそげ落とすことができます。

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しゃもじが本体に収納できる点も、とても便利だと思っています。
容器の内側の段差にしゃもじをのせて、ぬか床から浮かすことができるので、柄にぬかが付いて汚れる心配がありません。

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しゃもじのヘラ部分は「くっつかないごはんしゃもじ」と同様のWエンボス加工を施しているので、ぬかが付きにくくなっています。
裏側に足も付いているので、キッチンに直置きしても汚れません。

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フタと外容器は「トライタン」という樹脂を使っています。
これはガラスのように透明で丈夫。衝撃にも強いので安心して使っていただけます。

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フタを閉めたまま、ぬか床の様子がよく見えます。
外容器は水のたまり具合も分かります。

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フタは立てられるので、手狭なキッチンでも邪魔になりません。

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溜まった水を捨てる時に内容器のトレーにしたり、掘り出した野菜を仮置きしたり、便利に使えます。

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本体サイズは、頻繁なお手入れに配慮して、冷蔵庫から出し入れしやすいコンパクトでスリムな形状にしています。
庫内で邪魔にならず、スペースをムダなく活用できるサイズ感にこだわりました。

「ぬか床博士」のお気に入りポイントはどこですか?(笑)

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個人的には、キュウリを切らずに入れるところが気に入ってます!!
ぬか漬けの野菜として最もポピュラーなキュウリですが、意外なほど「キュウリを切らずに一本そのまま漬けたい!」という声が多くありました。コンパクトだけど、ツボを押さえたサイズです。

何から何までこだわりの塊ですが、苦労した点はありますか?

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一番苦労したのは、やっぱり水抜きのスリット穴ですね。
「ぬか床全体から、均一に余分な水分だけ抜く」のが、すごく難しくて...
まったく水が抜けなかったり、逆に抜けすぎてぬか床が乾燥してしまったり、水と一緒にぬかまで落ちてしまったり。

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穴の大きさや形、位置や間隔を何度も変えては3Dプリンターで容器を作って、実験を繰り返しました。
全部で30個は試作したかな~。
完成した容器には底にスリット状の穴がありますが、容器の側面にもスリット穴を付けたり(※写真手前)思いつくことは何でも試しましたね。
その苦労あって、理想的な水分の自然排出ができるようになりました。

開発期間はどれくらいですか?

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15ヶ月くらいですね。そのうちの一年は容器としゃもじの試作や実験に明け暮れていた気がします。
しゃもじも20個近く試作したんですよ!
「ぬか床は素手で混ぜた方が良い」という意見もありますが、ぬか床を直接触ることに抵抗がある方にもぬか漬けを楽しんでもらいたかったので、やっぱりしゃもじを付けて良かったと思います。

反響は?今後の展開はありますか?

好評です。開発中も社内では肯定的な意見が多かったので期待していましたが、実際にお客様の声を聴くと嬉しいし、頑張ったかいがありましたね。

開発中は商品のコンセプトから市販のぬか床ばかり使っていましたが、今度はいりぬかを用意して、一からぬか床を作って育ててみようかなと。身も心もますます(ぬか床に)どっぷり漬かっていこうかな~(笑)

最後に今だから話せるウラ話、笑い話はありますか?

ウチの奥さんと子供は漬物全般キライです(笑)
冷蔵庫からぬかどこボックスを出してフタを開けると、「早く片付けて!」という顔をされます。
自分も最初はぬか漬けはあまり好きじゃなかったんですよ。でも、ぬか床の育て方や漬け込む時間によって、自分の好みの味にできることがわかってきた。ぬか漬けは日本酒と合うし、お酒が進みますネ。

「ぬか床博士」は自分で言い出したんじゃないですよ!
ある日突然、業務命令で『あなたは今日からぬか床博士だから!白衣も用意したから!』とキャラ設定されちゃったんです。でも今では「まんざらでもないかな...」なんて思ってますが(笑)

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ぬかどこボックスが『ニイガタIDSデザインコンペティション2024』を受賞しました!

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なんと、ぬかどこボックスが『ニイガタIDSデザインコンペティション2024』ライフ・バリュー賞 を受賞しました!

IDSライフ・バリュー賞とは、新潟発の商品やサービスから「生活をより良く価値あるものにする」プロダクトだけに贈られる賞なんです。

ぬか床博士も白衣を脱いで、凛々しいスーツ姿で表彰式に参加してきました!

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《 2024年3月26日 『ニイガタIDSデザインコンペティション2024』表彰式にて 》

【レイエ】ぬかどこボックス

水分をほどよく排出するスリット穴付きぬか漬け容器

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