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"水をキレイ"でお花の美しさが続く花器「ウォーターキープベース」開発秘話 ~ 職人インタビュー編

2023.09.11 コラム

新製品の花器「ウォーターキープベース」の開発秘話を前編、後編の2回に分けてコラムでお届けしてきました。多くの方に読んでいただき、ありがとうございます^^

このアイテムは、機能もデザインも企画開発者のこだわりが妥協なく詰め込まれていて、製造に関する高い技術と協力がなければ、製品化はできませんでした。

そこで今回は、実際の製造担当である「ササゲ工業株式会社」「株式会社 曙産業」の職人さんに、現場目線の苦労話を伺いました。

異なる素材の抗菌ホルダーと容器、それぞれをトップメーカーに依頼、協力生産

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この製品は抗菌ホルダーと容器の2つのパーツで構成されています。抗菌ホルダーは銀メッキを施したステンレスワイヤー製、容器は最新の素材で高品位な合成樹脂製。

「職人の町、燕三条地域」でも、それぞれの素材を最も得意とするトップメーカーに製造を依頼しました。

《 抗菌ホルダー製造担当 》 ササゲ工業株式会社

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《 ササゲ工業株式会社 代表取締役社長 捧 大作氏 》

様々な金属加工を得意とするササゲ工業株式会社

4年前に発売しヒット、ロングセラー中の「コーヒードリップバッグホルダー」も製造していただいています。

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《 コーヒードリップバッグホルダーのコラム紹介記事はこちら

同じステンレスワイヤー製であることと、技術力の高さで今回も製造を依頼しました。

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抗菌ホルダーの試作品は、すべて捧代表の手作り。
めっき面積による抗菌効果の差を検証するため、側面のワイヤーの本数や直径を変えて、多くのパターンを製作していただきました。

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捧代表:普段、ボクの仕事はほとんど試作品やサンプル作りだよ。

オークス:一度に実験検証、比較をするために、最初の試作は5パターンをそれぞれ数個ずつ、合計で12個もお願いしましたけど、よく引き受けてくれましたね。

捧代表:そりゃ大変だったよ! 手で曲げてるからね。でも後から「やっぱりこのパターンも...」って追加で依頼されるより、まとめて作った方がまだいいよ(笑)

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捧代表:このホルダーの製造の難しいところは溶接部分。一箇所一箇所、職人が手作業で溶接するんだけど、量産ベースだと品質とスピードの両立が難しい。そこで重要なのが、量産に使う治具(※)。 ボクは製造方法を考えながら治具設計ができるので、精度や作業効率も向上させることができるんだ。(一般的に治具製作は外注)

※治具とは... 加工される部品などを固定、位置決めし、加工をしやすく(加工を案内)してくれる補助工具。これにより仕上がり寸法が統一され、作業効率が向上する。治具の出来次第で仕上り、作業時間が大きく左右される。

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捧代表:例えば、溶接時には目の保護にマスクを被るので、溶接個所が暗くなって見えにくく作業しにくい。それを解消するために、光が通るよう治具にカットを入れたり工夫をしてあるんだよ。

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捧代表:作業効率だけじゃなく、作業者(職人)のモチベーションを上げるためにも、治具にも美しさが大切。ボクは美しい治具作りを心掛けているんだ。

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捧代表:容器との嵌合(はめあい)は、容器製造を担当している曙産業さんを信頼しているので全く心配はなかった。樹脂成形では型抜きできない難しいカタチだと思うけど、さすがだなと思う。仕上げがとてもキレイ。パーティングライン(合わせ目)が全然見えない。ホルダーとの嵌合が治具製作してから合うようになった。どちらも精度が出ないとピッタリ合わないんだ。 最終仕様で実験的に榊を活けてみたんだけど驚いた!月2回の水替えでも問題ないくらい。

《 容器 製造担当 》 株式会社 曙産業

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《 株式会社 曙産業 専務取締役 池田 隆行氏(左) 金型部 部長 乾 康之氏(右) 》

樹脂製品の商品企画から設計、金型製造、成型、商品化に至るまで社内一貫生産を行う 株式会社 曙産業。様々な難題をアイデアと技術力でカタチにするプラスチック総合メーカー。

オークスの多くの樹脂製キッチン用品の製造をお願いしています。
面倒なぬか漬け作りを手軽に、使いやすい工夫を詰め込んだオシャレなぬか漬け容器、新製品の「ぬかどこボックス」も好評です。

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《 ぬかどこボックスのコラム紹介記事はこちら

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乾部長:この容器形状は口が狭くなっているので、通常は金型から抜けず、製造できません。従来は部品別に胴体部・底部を2つの金型で成形し、次工程で超音波振動溶着しますが、気密性があまり良くありません。水漏れの可能性があって不良品になる確率が高くなります。

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池田専務:今回は特殊な成型機を使い、一つの金型で2つの部品を同時に成型。さらに金型内で1,000℃以上の高温で完全に熱溶着しています。

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乾部長:液体を入れるものなので、検査機で圧力をかけて水漏れがないか丁寧に全品検査し、万全を期しています。

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池田専務:シンプルな形状だから作るのは簡単に見えるかもしれませんが、プラスチックはシンプルなものほど光の反射でヒケ(表面のわずかな歪みや凹み)やパーツのつなぎめが目立つので、一番難しい。

乾部長:合わせ目の構造が難しかったです。熱での溶けしろ(溶けて小さくなった部分)を何ミリにするか、はまり込みの幅を何ミリにするか、これまでの金型製作の経験をフルに生かして作りました。

池田専務:容器の素材は「Tritan™ (トライタン)」樹脂を採用しました。これはガラスのように透明度が高くて高級感があるのに、ガラスと違って丈夫で落としても割れにくい。花瓶の材質にピッタリだよね!

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池田専務:今回は金型から抜けない形状だったり、「Tritan™ (トライタン)」という新しい樹脂を使ったので、経験したことがないアクシデントも起こりました。でも特殊な成型機の技術を習得し、試行錯誤を繰り返して納得のいくカタチにすることができ良かった。

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池田専務:小坂井さん(オークス企画担当者)が最初にこの話を持ってきた時、『今度は何かな? また面白いことを言うんだろうな。』とワクワクしたんですよ。
だって普通の商品だったら簡単に作れるし面白くないじゃないですか!(笑)

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《 池田専務と乾部長、ウォーターキープベース企画担当者 小坂井里美氏(オークス) 》

さいごに

今回お話を伺った方々はもちろん、たくさんの職人さんからアドバイスをいただきながら、数え切れないお花とも向き合い、カタチになるまで2年を要した自信作。
このアイテムで、大切な人の大切な想いが詰まったお花のキレイが少しでも長く、続いたら嬉しいです。

いよいよ Haana(ハーナ)「ウォーターキープベース」新発売です!

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