FOOD
家で燻製を楽しむ方法|初心者でも失敗しない作り方・必要な道具・おすすめレシピを燻製ニストが解説
燻製というと、キャンプやアウトドアで楽しむものというイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、道具とポイントさえ押さえれば、自宅のコンロでも手軽に燻製を楽しむことができます。
チーズや卵、ナッツなど、身近な食材も燻製にするだけで香り豊かな一品に。家飲みのおつまみや、おもてなし料理としても人気があります。
今回は、「イエナカ燻製」を提唱し、自宅で楽しむ燻製の魅力を発信している燻製ニスト・佐藤暁子さんに、初心者でも挑戦しやすい燻製の基本や作り方、おすすめレシピについて伺いました。
燻製とは?自宅でも楽しめる人気の調理法
燻製とは、木材を熱したときに出る煙で食材をいぶし、香りや風味を付ける調理法です。

もともとは食品の保存性を高めるために生まれた調理法で、煙に含まれる成分によって腐敗を抑え、食材を長持ちさせる知恵として受け継がれてきました。
現在では保存食としてだけでなく、「香りを楽しむ料理」として親しまれています。
燻製と聞くとキャンプやアウトドアで作るイメージがありますが、近年は自宅でも手軽に楽しめる燻製器や調理グッズが増え、「イエナカ燻製」として人気を集めています。初心者でも鍋やフライパン、専用スモーカーを使えば、自宅で本格的な燻製を楽しむことができます。
燻製ならではの魅力
燻製の魅力は保存性だけではありません。
煙による香ばしい香りが加わることで、いつもの食材に奥行きのある風味が生まれます。
たとえばチーズや卵、ナッツなどの身近な食材も、燻製にするだけでお店のような味わいに変わります。普段の食卓はもちろん、家飲みやホームパーティーのおつまみとしても人気です。

また、燻製は食材本来のうま味を引き立ててくれるため、シンプルな味付けでも満足感を得られるのも魅力の一つです。ビールやワイン、日本酒、焼酎など幅広いお酒と相性が良く、コーヒーや紅茶と合わせて楽しむ方も増えています。
「いつもの食材を少し特別な一品に変えられる」ことが、家庭で燻製を楽しむ大きな魅力といえるでしょう。
燻製の種類|熱燻・温燻・冷燻の違い
燻製は、燻製する温度によって「熱燻」「温燻」「冷燻」の3種類に分けられます。
それぞれ仕上がりや燻煙時間、向いている食材が異なるため、目的に合わせて使い分けることが大切です。
熱燻(初心者におすすめ)

スモークチップと呼ばれる木片を熱して出る、高温の煙(80℃以上)で食材を1〜15分ほど燻す方法。短時間で仕上がるため、家庭でも手軽に楽しむことができます。ただし、食材の保存には向きません。
チーズや卵、ナッツなどの身近な食材を短時間で燻製にできるため、初めて家で燻製を作る方には最もおすすめの方法です。また、煙やニオイも比較的抑えやすく、自宅でも挑戦しやすい燻製方法です。
温燻

60〜80℃ほどの煙で、3時間から半日ほどかけて燻す方法。
粉状にした木材を固めたスモークウッドを使うことが多く、ベーコンなどを作るときにも用いられます。
冷燻

20℃以下の低温の煙で、長時間かけて燻す方法。
スモークサーモンなどが代表的ですが、温度管理が難しく、家庭で気軽に行うにはややハードルが高い方法です。
冷燻は温度管理が難しいため、自宅で初めて燻製に挑戦する場合にはあまり向いていません。
初心者でもできる!家で燻製を作る方法
「専用の燻製器がないと燻製は作れない」と思われがちですが、実は鍋やフライパンがあれば自宅でも手軽に燻製を楽しめます。
まずは身近な道具を使って、お試し感覚で始めてみるのもおすすめです。
家で燻製を作るために必要な道具
家で燻製を作る場合、次の道具を準備しましょう。
- 鍋またはフライパン(直火・空焚きに対応したもの)
- フタ(鉄・アルミ製のボウルで代用可)
- 網(鍋の直径より小さいもの)
- スモークチップ
- アルミホイル
- キッチンペーパー
- クッキングシート(網にくっつきやすい食材に使用)
- カセットコンロ(あると便利)
スモークチップはどこで買える?
スモークチップは、ホームセンターやアウトドアショップのほか、100円ショップやインターネット通販でも購入できます。
種類によって香りや風味が異なりますが、初心者は入手しやすい「サクラ」や「ヒッコリー」から試してみるのがおすすめです。
どこで燻製を作る?
自宅のガスコンロで作ることができます。
ただし、最近のガスコンロは安全装置によって火が止まる場合があるため、その場合はカセットコンロを使うとスムーズです。
鍋・フライパン選びのポイント

鍋は必ず直火に対応したものを使いましょう。テフロン加工やフッ素加工のフライパンは、空焚きによって加工が傷む恐れがあるため、燻製作りには向きません。また、燻煙後は煙の成分で鍋の内側がベタつくことがあるため、使い古した鍋などを使うと安心です。
家で燻製すると煙や臭いは大丈夫?
「家で燻製をすると煙や臭いが気になる」という方も多いでしょう。
実際には、初心者向けの熱燻であれば燻煙時間は短く、換気扇を回しながら行うことで煙や臭いを大幅に抑えられます。
また、火加減やフタを開けるタイミングを守ることで、室内への煙の広がりも少なくなります。
家で燻製を失敗しないための6つのポイント
初心者が家で燻製を楽しむ際は、次のポイントを押さえることで失敗しにくくなります。
①食材についた水分を拭き取る
食材の表面に水分が多いと、煙の成分が水分に溶け込み、酸味やえぐみが出やすくなります。キッチンペーパーなどで水分を拭き取ってから始めましょう。水分の多い野菜や果物の燻製もあまりおすすめしません。
②強火にしない
最も重要なポイントです。煙が出始めたら必ず弱火にしましょう。強火のまま燻し続けると、焦げや煙が出すぎる原因になります。
③火元を離れない
火が消えてしまったり、煙が出すぎたりする場合に備えて、燻煙中は火から目を離さないようにしましょう。
④換気扇を回す
燻煙中は換気扇の近くで、十分に換気しながら行いましょう。気になる臭いや煙の広がりを軽減できます。
⑤すぐにフタを開けない
火を止めたあとすぐにフタを開けると、熱せられた煙が一気に出てしまい部屋中に広がってしまう恐れも。火を止めて少し時間をおいてからフタを開けましょう。
⑥火の始末を確実に
使用後のチップは、水をかけて完全に消火してから捨てましょう。
初心者におすすめ!家で作れる燻製レシピ
燻製はチーズや卵など、スーパーで手軽に購入できる食材でも十分楽しめます。
ここでは初心者でも失敗しにくく、お酒との相性も良いレシピをご紹介します。
ビール・ワインと相性抜群!チーズの燻製

①鍋(フライパン)にアルミホイルを敷いて、その上にチップをひとつかみ(10〜15g)のせる。
②鍋(フライパン)よりも小さい直径の網をのせる。
③網の上にクッキングシート(網より小さめにカット)を敷いて、その上にチーズをのせる。
④換気扇を回し、フタをして火にかけ、煙が出たら弱火にして10分間燻製する。
⑤火を止めて、煙が落ち着くまで5〜10分ほど待ってからフタを開けて完成。
チーズ選びのポイント
チーズは必ずプロセスチーズを選びましょう。ナチュラルチーズは燻製にすると溶けてしまいます。
日本酒・焼酎によく合う!燻製たまご

①お好みの調味液などで作った漬け込み液にゆで卵を入れ、冷蔵庫で一晩程度寝かす。
②調味液からゆで卵を取り出し、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る。
③15〜30分程度、室温で風乾させる。(暑い時期は冷蔵庫で)
④鍋(フライパン)にアルミホイルを敷き、その上にスモークチップをひとつかみ(10〜15g)のせて網をセットする。
⑤網の上にゆで卵を置き、フタをして火にかける。煙が出たら弱火にして7分間燻製する。
⑥火を止めて、煙が落ち着くまで5〜10分ほど待ってからフタを開けて完成。
自宅でもアウトドアでも活躍!専用スモーカーで燻製をもっと楽しもう
鍋やフライパンでも燻製は楽しめますが、「もっと気軽に燻製を楽しみたい」「自宅だけでなくキャンプやバーベキューでも燻製を作りたい」という方には、専用スモーカーを取り入れるのもおすすめです。

オークスの「テーブルトップスモーカー」は、コンパクトで持ち運びしやすく、自宅での家飲みやホームパーティーはもちろん、キャンプなどのアウトドアシーンでも活躍する燻製器です。
スモークチップだけでなくスモークウッドにも対応しているため、作りたい燻製に合わせて楽しみ方を広げることができます。また、付属の網がザル状になっているのもポイント。

ナッツやポテトチップスを燻製するのに、下に落ちないのは大きなメリットです。
また、電源を必要としないため、カセットコンロなどを使用して手軽に燻製を楽しめるのも魅力です。
※SIセンサー付きガスコンロ・IH調理器では使用できません。
「イエナカ燻製」を始めたい方はもちろん、自宅でもアウトドアでも燻製を楽しみたい方は、専用スモーカーを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
初心者でも家で燻製は楽しめる!まずは身近な食材から始めよう
燻製は、特別な技術や大がかりな設備がなくても、自宅で気軽に楽しめる調理法です。
初心者なら、短時間で完成する「熱燻」とチーズや卵などの身近な食材から始めるのがおすすめ。
慣れてきたらナッツやベーコンなどさまざまな食材に挑戦したり、専用スモーカーを取り入れたりすることで、自宅での家飲みや食卓がさらに充実します。
ぜひ、ご家庭でも燻製ならではの香り豊かな味わいを楽しんでみてください。

執筆者プロフィール
一般社団法人 日本燻製協会 代表理事/燻製ニスト
燻製好きが高じ、会社員を経て燻製バーをオープン。
自宅で手軽に楽しめる「イエナカ燻製」を提唱し、燻製のおいしさや魅力、作る楽しさを発信。料理本の出版、燻製教室、メディア出演など幅広く活躍している。
WEB:https://www.japan-smoke.com/
Instagram:https://www.instagram.com/redcurryrice/
関連商品はこちら










