【華道家監修】花器にはどんなものがある?素敵に飾るコツや長持ちさせるポイントも!

【華道家監修】花器にはどんなものがある?素敵に飾るコツや長持ちさせるポイントも!

お花のある暮らしに憧れるけれど、センスよく飾るのは難しそう...。そう感じたことはありませんか?
今回はお花を素敵に演出してくれる花器について、花を美しく見せるプロである華道家 岡本友輝さんにインタビュー。花の上手な生け方や長持ちさせるポイントなども分かりやすく教えていただきました。

生け花で使う花器の形状は大きく3つ

日本古来から伝わる生け花にはいくつかの流派があります。それぞれの流派によって作風が異なり、それによって選ぶ花器も変わってきます。生け花では花器は大きく3つの形に分類できます。

①「水盤」

黒い色の水盤

背丈が低く平べったい形で口の部分が広い花器。剣山という道具を使って生けることが多く、生け花の初心者にも生けやすい花器とされています。

②「壺」

畳の上に置かれた壺

口部分が狭く胴体が丸みを帯びている花器。どんな花でも生けやすい万能な花器と言えます。生け花に限らず、普通のご家庭でお花を飾るときでも、この壺型の花器が使いやすい。

③「寸胴」

竹のような寸胴

背丈が高くまっすぐな筒形。上級者向けで格式高い作品をいける際に主に用いる。

上記3つが主な形状で、この他にも壁に掛けて飾る「掛花入れ」、籐や竹などを編んで作る「かご」、少ない花を飾る「一輪挿し」などもあります。

花器に使われる主な素材

花器で使われる素材は、陶器、ガラス、木、鉄など様々なものがあります。

■陶器・焼き物

四角い陶器

陶器はシンプルでオーソドックスな雰囲気に生けることができます。置く場所を選ばず空間に溶け込んでくれるので、どんなお部屋にでも合うと思います。

■ガラス製

キラキラとしたガラスの器

ガラスはその涼しげで清潔な見た目から、キッチンや洗面所、トイレなどの水回りに合いやすく、夏場は空間を涼しげに演出してくれます。

■木製

木製のかご

木製の花器は、飾る場所を選びませんが、温かみのある素材なのでリビングや寝室などにおすすめです。

■鉄製

重厚な鉄製の器

鉄製は、屋外や外に繋がる場所でよく使われる花器です。玄関や靴箱の上などもよく合うと思います。

花を上手に生けるポイント

ここでは普段お花を飾る習慣のない方でもかっこ良く生けられるポイントをいくつかご紹介します。

ポイント①:まずは壺型の花器で

どのお部屋に飾るのかを決めたら、インテリアコーディネーターになった気持ちで雰囲気に合わせた花器を選びましょう。まだ慣れていない方は小さな壺型がおすすめ。口部分は広すぎず狭すぎず、花が少し斜めに傾けられるものだと華やかにいけられます。

ポイント②:選ぶときは「一花一葉」で

花屋さんに行くとついつい色々なお花が欲しくなりますが、ひとまずお花は1種類にしてみましょう。それに対して1種類の葉っぱを選んでください。一花一葉でシンプルですが、かっこよくいけることができます。

ポイント③:花器に合わせて高さを決める

次に高さが大きなポイントになります。飾る場所にもよりますが、一番背の高い花が花器の2倍前後の高さになるように茎を切ってください。

ポイント④:同じ高さにそろえない

お花や葉っぱが数本ある場合は、全てを同じ高さにそろえないように切りましょう。葉っぱは、花より低く入れるとバランスがとりやすいです。

ポイント⑤:見られる方向に注意する

どの方向から見られるのかを意識して飾りましょう。慣れないうちは、どの方向から見てもきれいなお花を選ぶのもポイントです。

ポイント⑥:余白を作る

花と花の間や花と葉っぱの間に、余白や空間を作るように生けてみてください。これは生け花のテクニックですが、作品がとてもかっこ良く仕上がります。

初めての方におすすめの花

■正面がないお花

例えばガーベラを思い浮かべてみてください。長い茎の先に首が少し曲がった状態でお花が咲いていて、どちらが正面かはっきりしているはずです。このような花は生けるときに向きや角度に気をつけなくてはいけません。ですから初めての方におすすめなのは、正面がなくどこから見ても同じように咲いている様子が見える花です。

■どこの花屋でも手に入りやすい花

それともう一つは全国どこででも、どんな季節でも比較的手に入りやすいお花です。特にお花に慣れていない方にはおすすめです。

上の2つの条件から具体的なお花の名前を3つだけご紹介すると、菊、カーネーション、バラです。この3つは比較的季節を問わず入手でき、また少ない本数でも見栄え良く飾れるお花です。

花を長持ちさせるための注意点

■きれいな水道水を使う

水道水に含まれる塩素が水をきれいに保つ作用をしてくれますので、浄水ではなく水道水を使いましょう。水は毎日替えて、常にきれいな状態に保ってあげるととても長持ちします。

■茎の先を定期的に切る

花の種類にもよって頻度は変わりますが、2、3日に一度は茎の先を切ってあげましょう。

■水切りをする

水を張ったボウルの中で茎を切る様子

花を切るときは、水を溜めたボウルに茎の先を浸したままハサミで切ります。すると切った瞬間に水をグッと吸い上げて花が生き生きしてきます。

■葉っぱを減らす

葉が整理された花

花が咲いている茎に葉っぱが多く付きすぎていると、そちらに水を吸われてしまいます。葉は少なくしましょう。ですが水を吸い上げる役割もあるので、完全に無くしてしまってもいけません。

■水に葉をつけない

花器の中の水に葉っぱが浸かっていると、そこから腐って水を悪くしてしまいます。水に触れる部分の葉は全てカットしてください。

■花びらに触れない

花びらに触れようとしている様子

お花を扱うときに、直接花びらに触れないように注意しましょう。

■直射日光やエアコンに当てない

切ってしまった後の花は直射日光に当てない方が長持ちします。またエアコンの風にも直接当たらない場所に飾りましょう。

お花を飾って毎日の暮らしを彩り豊かに

お花を飾る良さは、家の中に彩りを与え気持ちを豊かにさせてくれるところです。それだけではなく、生き物と一緒に生活するという面白さも感じさせてくれます。初めは元気だったものがだんだん弱ってきたり、水を替えればまた元気になったり、やがて枯れてしまったり。そのようなことから命の尊さを感じ、自分自身の命への感謝にもつながっていくはずです。無機質なものに囲まれがちな暮らしの中で、お花という自然に触れる楽しさも感じていただければと思います。

ラクに長く楽しみたいなら技ありの花器もおすすめ

いかがだったでしょうか?お話を長持ちさせる方法もたくさんご紹介いただきましたが、実は花器の方に一工夫を加えることで花の命を延ばす方法もあるんです。それがオークスのHaana(ハーナ)。これは銀めっき加工をした抗菌ホルダーと容器がセットになっている花器。銀めっきの抗菌効果で細菌の繁殖を抑え、水をきれいに保つサポートをしてくれます。シンプルな形状なので飾る花の量も置く場所も選びません。Haanaで花のある豊かな時間をゆったりと楽しみませんか?

執筆者プロフィール

岡本友輝

岡本友輝

江戸時代から続く茶道華道流派、次期十代目家元。大学進学と同時にそれまで打ち込んでいたサッカーをやめ、茶道・華道の道へ。在学中はNY留学を経験し、卒業後はリクルートに就職。2020年に茶道家、華道家として独立。非日常体験で日常をより豊かにすることを目指し、日本各地やオンラインで稽古教室やイベントを開催。

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