
計量みそマドラー
- FOOD
- 2025.03.17
【みそ探訪家監修】味噌の種類や健康効果とは?おいしく食べるおすすめレシピ
日本のソウルフード、味噌。湯気の立ち上るみそ汁を飲むと、身も心も温まってほっこりしますよね。味噌はおいしいだけでなく、健康効果も高い食材で、種類によっては美肌効果も期待できるとか。
味噌のパワーで肌もつやつやのみそ探訪家・岩木みさきさんに、味噌の健康効果や上手な取り入れ方についてお話をうかがいました。

味噌が健康にいいのはなぜ?
味噌は、大豆・麹・塩からできています。大豆は、タンパク質や食物繊維を豊富に含む食材の優等生。味噌が健康によいのは、この大豆が原材料であるということが一番の理由だといえます。
また、味噌は日本が誇る発酵食品です。発酵の過程で、大豆のタンパク質はアミノ酸に、炭水化物は糖に分解されるので、大豆をそのまま食べるよりずっと体に吸収されやすいことも特徴です。
味噌の健康効果
発酵により吸収されやすくなった大豆のタンパク質が、健康的な髪の毛や皮膚を作ってくれるほか、味噌には生活習慣病の予防にも効果があるといわれています。

また、発酵食品である味噌は腸活にもおすすめです。味噌に含まれるよい菌を摂取することで腸内の有用菌を増やすのはもちろんのこと、味噌の中の菌が腸まで生きて届かなかった場合にも、腸の常在菌のえさとなって「育菌」の働きをしてくれます。味噌で腸内環境が整えられることにより、免疫力の向上などの健康効果が期待できます。
味噌の塩分は本当に高い?
味噌というと、塩分が気になる方もいらっしゃると思います。しかし、味噌に含まれる塩分は実はそれほど多くはありません。たとえば、味噌汁一杯に含まれる塩分の量は、食パン1枚半や、ウインナー3本に含まれる塩分量ほぼと同じです。
また、味噌汁に海藻や野菜などの具材を入れて一緒に食べれば、塩分を排出する働きのあるカリウムを摂取できるので、あまり味噌汁の塩分について神経質になる必要はないと思います。一日1杯から2杯を目安に食事に取り入れるとよいでしょう。
味噌にはどんな種類がある?色の違いや特徴は?
味噌の種類は、味噌作りに使っている原料や熟成期間によって分けられます。
「麹」で味噌を分類
先ほどみその原材料は大豆・麹・塩だと説明しましたが、「うちで使っている味噌にはお米や麦も入っているよ?」と思った方もおられるかもしれません。これは、麹を作るときに米、麦、または大豆を使うためです。味噌の種類はまず麹の違いで3つに分けられます。
- 米味噌=大豆+塩+"米麹"を使用
- 麦味噌=大豆+塩+"麦麹"を使用
- 豆味噌=大豆+塩+"豆麹"を使用
そして、これらの3つのうち複数を混ぜたものが「調合味噌」「合わせ味噌」と呼ばれています。
「色」で味噌を分類
また、味噌には「白味噌」や「赤味噌」といった色の違いがあります。一般的には熟成期間が長いほど味噌の色は濃くなる傾向にあります。

- 「白味噌」:熟成期間が短い
大豆に対する麹の割合が高いため、肌の保水力を高めるうるおい成分のグルコシセラミドを多く含んでいます。一例として京都の西京味噌などが挙げられます。

- 「赤味噌」:熟成期間が長い
熟成期間が長いため、濃厚で味にコクが増します。また熟成が進むとメイラード反応と呼ばれる反応が起こって、抗酸化効果が高くなります。一例として名古屋の八丁味噌などが挙げられます。
味噌選びのポイント
味の好み
味噌の旨味を味わいたい場合は熟成した濃い色の味噌を、フレッシュな風味を楽しみたい場合は薄い色を選ぶとよいでしょう。
料理に合わせて

麹の多い甘みのある味噌は、調理しなくてもディップなどでそのまま食べやすく、シチューなどに加えるのもOK。食材の色を生かしたいときには薄い色の味噌がおすすめです。
逆に塩辛いタイプのみそは料理の味を引き締めるのに役立ってくれます。
健康・美容効果
健康面では、肌の乾燥防止や美白効果を高めたい場合には西京味噌など麹の割合の高い味噌を、疲労回復やアンチエイジングの効果を期待したい場合には、熟成期間の長い味噌を選ぶとよいと思います。
味噌の正しい保存方法
基本的には常温保存でも大丈夫ですが、置いておくと熟成が進んで色が濃くなってしまいますので、冷蔵庫での保存がおすすめです。白味噌については、麹が多く塩分量は普通の味噌の半分以下であるため、賞味期限が長くありません。
賞味期限自体が短いため、冷凍保存すると長く使うことができます。味噌はカチカチには凍らないので、すぐに使うことができます。
味噌を食べるならやっぱり「味噌汁」

味噌を使った料理といえば、味噌汁をイメージされる方も多いでしょう。味噌汁は、具材の味で旨味が増すだけでなく、栄養面でも、味噌自体の高い健康効果に加えて、スープと一緒に具材の栄養素もまるごと摂取できる優秀な料理です。作り方も簡単ですので、料理があまり得意でない方でも実践しやすいのではないでしょうか。
また、冷蔵庫に残っている食材を使っても、十分においしく出来上がると思います。たとえば変わり種では、薄い色のフレッシュな味噌汁にはレモンやハーブを加えたり、コクのある濃い色のみそ汁にはスパイスをちょい足ししてみたり、いろいろ冒険を楽しんでみてください。
味噌汁が美味しくできなかったときの原因は、ほとんどが味噌と水の量のバランスだと考えられます。お椀1杯・約150mlの水に対してみそは大さじ1杯がほどよいバランスです。
おすすめ!味噌を使った簡単レシピ
<コーヒー代わりに作れる!マグカップみそ汁>
お鍋を出したり具材を煮たり、味噌汁を作るのがめんどうくさいという方におすすめの簡単味噌汁です。
マグカップに具材を入れてお湯を注ぎ、味噌を溶いたらできあがり。ポイントは、具材に切り干し大根などの乾物や、そのままでも食べられるサバ缶、トマト、カイワレなどを使うことです。
毎朝のコーヒーや、夜食のラーメンをみそ汁に変えるだけで、食生活がより健康になるのではないかと思います。
頑張らず味噌を取り入れて
味噌はそのまま食べてもおいしい食材で、味噌の使い方をあまり知らなくても、お湯に溶かすだけ、ご飯に載せるだけでおいしい一品を作ることができます。頑張らず気楽に、味噌を取り入れる最初の一歩を踏み出してほしいと思います。
そして、色や香りなどさまざまな種類のあるみその魅力を知って、楽しんでいただければ幸いです。
味噌汁づくりが楽しくなる「計量みそマドラー」
味噌汁を作るとき、味噌は何で溶かしていますか。正しい分量を量るために計量スプーンを使うと、スプーンの隅にくっついた味噌が取りにくいと思ったことはないでしょうか。
快適な味噌汁づくりにおすすめなのが、見た目も可愛い「計量みそマドラー」です。

球状になったワイヤーを味噌の中でくるっと回すだけで簡単に味噌を計量でき、そのままお鍋でさっと溶かすことができます。大小二つの玉で大さじ1と大さじ2が計れるので、「マグカップ味噌汁づくり」にも活躍すること間違いなし。ドレッシングをかき混ぜたり卵を溶いたり、さまざまな用途にも使えます。
「計量みそマドラー」でくるっと楽しく味噌を取り入れてみませんか。
執筆者プロフィール
岩木みさき|実践料理研究家・みそ探訪家
“生産と消費を紡ぎ、すぐに実践できる健康レシピ”をテーマに、レシピ考案・撮影、料理教室、47都道府県を探訪し取材執筆や行政案件も多数対応、ラジオやTV等のメディアにも出演。
日本の伝統調味料 “みそ”に魅せられ日本各地のみそ蔵100ヶ所以上を訪問みその探求と国内外へ情報発信に力を注ぐ。代表著書「みその教科書」「1分美肌みそ汁」「にっぽん味噌蔵めぐり」。
【HP】http://www.misa-kitchen.jp
【みそ探訪記】http://misotan.jp/
【Instagram】https://www.instagram.com/iwakimisaki.miso/
関連商品はこちら

RECOMMEND
鉄のことり
体やメンタル不調は鉄不足!?手軽に続けられる鉄分補給のコツ
今回は鉄分不足の原因とそれに伴う症状、そして毎日の食事で無理なく健康的に鉄分を補給できるコツについて分子栄養学カウンセラーの毛利有香さんにインタビューしました。
- HEALTH
- 2025.04.23
フチ付きまな板
【時短料理研究家監修】時短料理のコツとは?料理がグンと捗る便利グッズとレシピも紹介!
忙しい暮らしのなかで役に立つ時短料理のコツやおすすめレシピを、時短料理研究家のろこさんに伺いました。
- LIFE
- 2025.02.27
グリルホットサンドメッシュ
子どもの好き嫌いを克服!食育のプロが教える親子で作れるホットサンドレシピ
多くの親が直面する悩みのひとつが、子どもの好き嫌いや偏食です。今回は食育料理研究家の増田 陽子さんに、その原因や対応、克服方法について、好き嫌い克服レシピとともに教えていただきました。
- LIFE
- 2025.02.19