世界のバターを食べまくるバターマニア・長尾絢乃さんが語る!バターの魅力と主役級レシピ

世界のバターを食べまくるバターマニア・長尾絢乃さんが語る!バターの魅力と主役級レシピ

冷蔵庫の片隅で保存して、たまにお料理でちょっと使う程度...。あなたにとってバターがそんな存在ならもったいない!国内外160種ものバターを食べ尽くし、自他ともに認めるバターマニア・長尾絢乃さんの話を聞けば、きっとバターを見る目が変わるはず。コク深く香り高い、バター沼の入り口はこちらです。

バターの味は牛の生育環境によっても変わる

バターは、原材料となる生乳や製法によって味わいが変わります。私自身、その違いに気づいてからバターの魅力にはまっていきました。

ホルスタインとジャージー牛

例えば白黒模様のホルスタイン牛と茶色い毛を持つジャージー牛では、取れる生乳に違いがあります。また、牧草だけを食べて育った牛の生乳で作られる「グラスフェッドバター」は、草のカロテンにより少し黄色みがかっていて、牛から搾る生乳本来の味わいが楽しめます。

このように牛の種類だけではなく、住んでいる土地や生育環境によって色や味が変わるのがバターの奥深さだと思います。

バターの3つの魅力とは?

まずは何よりバターそのものがおいしいこと。さらに、パンに添えたり調味料として料理に使うときでも、それぞれの食材のおいしさを存分に活かしてくれるのもバターの魅力です。例えば、ほうれん草ソテーは、バターの風味と塩味がほうれん草本来の甘みを引き出すことでおいしくなるメニューです。

それと、バターといえばやっぱり焼き菓子。焼いているときから本当にいい香りがしてきて、味 にコクと奥行きが加わります。これもバターの魅力のひとつだと思います。

バターは栄養豊富な優れた動物性脂肪

意外に思う方もいるかもしれませんが、バターはビタミンA やビタミンD、ビタミンE などを豊富に含んでいます。

バターの乗ったトースト

毎日のパンに添えたり、お料理にちょっと使うのであれば、大切な栄養が得られる、優れた動物性脂肪です。
とはいえやはり成分の80%は脂肪分ですから、食べ過ぎには注意が必要です。

バターの種類は?

バターナイフでバターをカットする

バターは「発酵バター」と「非発酵バター」に分類され、さらにそれぞれ「有塩バター」と「食塩不使用バター」に分けられます。

発酵バターと非発酵バター

バターの製造工程で乳酸菌を添加して発酵させたものが「発酵バター」です。発酵させることでバターのコクや風味が際立ち、お菓子で使うととても香り高く仕上がるのが特徴です。実はバターの起源を辿ると、もともとは発酵バターが始まり。フランスやヨーロッパの一部の国では、スーパーで売られているほとんどが発酵バターです。
逆に日本でバターといえば「非発酵バター」が一般的。発酵バターより比較的安価で手軽に使える点が魅力です。

有塩バターと食塩不使用バター

「発酵バター」「非発酵バター」それぞれで食塩を使用しているものとしていないものに分類できます。
ちなみに食塩不使用のものを「無塩バター」と呼んでいることもありますが、原材料の生乳 にはもともとわずかに塩分が含まれているので、完全に無塩のバターというものはありません。 ですから法律上では「食塩不使用バター」が正式な呼び名となっています。

バターをおいしく味わえるおすすめの使い分け

バターの乗ったアスパラガスのベーコン巻き

トーストに添えたりお料理に使うのであれば、塩味が整えられた「有塩バター」がおすすめ。
微妙な塩加減が出来上がりを左右するパンやお菓子作りの場合は、「食塩不使用バター」を使いましょう。

ガレット・ブルトンヌ

さらに、ガレット・ブルトンヌなどのちょっと香りにこだわったお菓子を作るなら、「食塩不使用の発酵バター」をぜひ使ってみてください。

包装紙に包まれた固形のバター

バターの香りと風味を逃さない上手な保存方法

2週間以内なら冷蔵庫

我が家は頻繁にバターを使うので、大きな業務用バターを購入して半分は冷蔵庫、もう半分は冷凍保存しています。冷蔵保存する分は香りが飛んでしまったり他の食材の匂いがつかないように、必ずケースやタッパーに入れて、2週間くらいで使い切ることをおすすめします。

2ヶ月以内なら冷凍庫

冷凍保存する分は小さく切り分けて、ラップに包んでジッパー付きのビニールなどに入れると香りが飛びにくくなります。使うときは解凍不要で使えるのも便利です。
冷凍の場合は、2ヶ月以内を目安に使い切りましょう。

「ワイヤーでスーッと切れるバターカッター」が便利!

もっと気軽にバターを使いたいけれど、大きな塊からその都度切り出したり分量を計るのがちょっと面倒、と思っている方はいないでしょうか。そこでおすすめしたいのが「ワイヤーでスーッと切れるバターカッター」です。

ワイヤーでスーッと切れるバターカッター

バターの上からギュッと押すだけで一気に40等分。200gのバターなら1片約 5gにカットしてくれるので、バターを計量する手間も省けて楽チンです。

バターマニアおすすめ!バターがおいしいレシピ

お手軽スイーツバター「メープルバター」

メープルバター

材料

  • トースト
    2~3 枚分
  • メープルシロップ
    小さじ 1
  • バター
    (有塩、食塩不使用どちらでも)

    30g

バター30gの目安:「ワイヤーでスーッと切れるバターカッター」で切ったバター6片分※1

作り方

  1. バターは 20〜30分ほど室温に置いておき、やわらかい状態にしておく。
  2. やわらかくなったバターを、泡立て器で白っぽくなるまでホイップし空気を含ませる。
  3. 02.にメープルシロップを加え、全体をなじませる。

ポイント

有塩バターなら甘じょっぱく、食塩不使用バターでつくれば優しくまろやかな味わいに。トーストにはもちろん、パンケーキにあわせても!

生クリーム不使用「アスパラガスのポタージュ」

アスパラガスのポタージュ

材料

  • アスパラガス
    6本
  • 新たまねき
    1/2個
  • 固形コンソメ
    1個

  • 250ml
  • 牛乳
    200ml
  • 塩コショウ
    適量
  • バター
    15g

バター15gの目安:「ワイヤーでスーッと切れるバターカッター」で切ったバター3片分※1

作り方

  1. アスパラガスは下部の硬い部分を切り落とし、2cmくらいの長さに切り、新たまねぎは薄切りにする。
  2. 弱火で温めた鍋にバターを入れて溶かしてから、1)をしんなりするまで炒める。
  3. 02.に水と固形コンソメを加え、弱火で 5分ほど煮込む。
  4. 煮立ってきたら牛乳を加えて軽くひと混ぜして火を消す。
  5. 軽くあら熱がとれたら、ブレンダーもしくはミキサーにかける。
  6. 再び鍋に戻し弱めの中火にかける。1片分くらいバターを追加しても!(分量外)
  7. バターが溶けたら、塩・胡椒で軽く味をととのえる。

ポイント

06.で「追いバター」をすると、バターの香りがさらに立ってますますおいしく仕上がるのでおすすめ!

※1:200gのバターの場合

お好みのバターで食卓をおいしく幸せに!

いろいろな食材のおいしさを引き出し、食べた人をフワッと幸せな気持ちにしてくれる。バターには他の食材にはない魅力がいっぱいです。

国内だけでも大小さまざまな酪農家さんから、100種をはるかに超える個性豊かなバターが販売されています。ぜひ皆さんのお好みのバターを見つけて楽しんでみてください!

長尾絢乃  バターマニア

執筆者プロフィール

長尾絢乃  バターマニア

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)卒業。在学中に実習先の牧場で搾りたての生乳の味に感動したことから牛と乳製品マニアに。卒業後は観光牧場で乳製品の製造販売、製菓材料販売会社や菓子メーカー、日本料理レストラン運営会社で WEB マーケッターとして勤務。さらに 国内外160種類以上のバターを食した経験をもとに「バター専門家」「バターマニア」としてさまざまなメディアでバターの解説を行う。

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