
ぬかどこボックス
- FOOD
- 2023.08.10
ぬか漬け容器の選び方!ぬか漬けにおすすめの素材・かたち・大きさは?【ぬか漬けマイスター大湯みほさん監修】
ぬか漬けを始めるときに最初に迷うのが、どんな容器で漬けるかということではないでしょうか。
そこで今回はぬか漬けマイスターであり、ぬか漬け芸人としてもご活躍中の大湯みほさんにインタビュー。容器の選び方からおいしく漬けるためのポイントまでお伺いしました。
ぬか漬け容器 素材別メリット&デメリット
■本格派には「陶器製」

<メリット>
ぬか漬けの容器として伝統的に使われてきたのが、陶器製の壺やカメ。通気性が良く、外からの空気を容器内にまんべんなく取り入れて、ぬか床が呼吸をしやすく保ってくれるのが一番のメリットです。もう一つは、比較的大きなものが多いので、野菜をカットせずにそのまま漬けることができる点。
<デメリット>
逆に大きいものの場合は、保管スペースを取るというデメリットもあります。また密閉されていないものが多いので、匂い漏れが気になる場合もあります。
■定番の「ホウロウ製」

<メリット>
金属製容器の表面にガラス加工をしたもので、いろいろなサイズや形状があります。容器に匂いがつきにくく、蓋で密閉できるタッパータイプもあり、冷蔵庫での保管にも適しています。
<デメリット>
デメリットはサビが発生することがある点。ですが、野菜の変色を防ぐためにぬか床に鉄釘を入れるという話もあるので、ホウロウ容器はぬか漬けと好相性と言えます。
■手軽に始めるなら「プラスチック製」

<メリット>
容器の形やサイズがさまざまで、色やデザインもバリエーションに富んでいるので、手軽にぬか漬けを楽しめます。なかにはかき混ぜ用のハンドル付きのタイプなど、機能面でも工夫を凝らしている容器があります。
<デメリット>
デメリットは容器に匂いがつきやすい点と通気性が悪いところ。完全な密封状態になるため水が溜まりやすく、こまめな手入れやメンテナンスが必要です。
■こだわり派の「木製」

<メリット>
以前、杉の木でできたぬか漬け容器を見せていただいたことがあります。陶器やホウロウに比べて軽くて扱いやすいのと、天然木特有の調湿効果があるので通気性に優れている点がメリットです。
<デメリット>
自然の素材なので、経年劣化で変色したり多少形に歪みが出る可能性があります。
■お試しでやるなら「ビニール製」

<メリット>
ファスナー付きのプラスチックバックを利用して簡易ぬか床として販売されています。かき混ぜ不要のものや、袋の上から揉むだけのものもあり、手を汚さずにお手入れができるのは大きなメリットかもしれません。冷蔵庫で場所を取らないのもうれしい点です。
<デメリット>
デメリットは通気性がないこと、袋のフチが汚れやすいこと、サイズが小さいのでたくさんは漬けられないこと。また、ほとんどが1ヶ月使い切りタイプなので、若干コスパが悪いのも難点です。続くか分からないけれどお試しでやってみたい、という方にはおすすめです。

ちなみに私が初心者向きの簡易ぬか床としておすすめしているのは「ぬか床1年生」という商品。一般的にぬか漬けには、ぬか床の中で乳酸菌を増やすための準備工程(捨て漬け)が必要ですが、この商品に付属している天然酵母ペーストを使うことで、その工程が不要になります。また、ジッパー付きの小袋も付いているので、他の野菜と分けたいアボカドや玉ねぎなどを漬けるときにも便利だと思います。
ぬか漬け容器を選ぶときのポイント
■どこに保存するか

ぬか漬け容器のサイズを決めるときにポイントになるのが、冷蔵庫の中に収納するのか、冷蔵庫の外で常温管理するのかという点です。常温管理の場合は天候や湿度によっても調整が必要なので、慣れていない場合は冷蔵庫管理がおすすめです。
■どのくらい食べるのか

一人で食べるくらいの量なのか、家族みんなで食べるのかによっても、容器のサイズは変わります。また一度に何種類かの野菜を漬ける場合も、ある程度の容量が必要になります。
■水抜きがしやすいか

通気性が悪い素材の容器はぬか床に水が溜まりやすくなります。おいしく漬けるためには、この水抜きが大きなポイント。メーカーが工夫を凝らして水抜きしやすいように設計されている容器もあります。また水抜きのためのグッズも市販されているので、活用してみてもいいかもしれません。
■フタがしっかり閉まるか
通気性に優れた陶器製や木製以外の容器は、上部のフタによって密閉できるタイプがおすすめ。これによってぬか床内の乳酸菌バランスを適切に保つことができます。
おいしく漬けるためのポイント
■酸素をまんべんなく全体に行き渡らせる

ぬか床には数種類の乳酸菌が存在し、その中には酸素を好む菌と嫌う菌がいます。おいしいぬか漬けのためには、全ての乳酸菌がぬか床の中にバランス良く存在することが大切です。ところが、容器内の一部分のみが空気に触れている、かき混ぜる頻度が少なく通気性が悪くなる、容器のフタが空いて上部分に空気が触れすぎる。このようなことがあると、乳酸菌のバランスが崩れる原因に。それを防ぐためには、野菜を漬けた後にしっかりと中の空気を抜いて、表面部分を平らにし、しっかりと下から上にぬか床をかき混ぜることがポイントになります。
■塩もみ
野菜はしっかり塩もみして、余分な水分を拭き取ってから漬けましょう。
■野菜のカットの仕方を考える
丸ごと漬けるのが難しい野菜は、バランスよく漬かるカット方法を考えて漬けましょう。
■こまめな水抜き

ぬか表面に滲み出てきた水分をガーゼで優しく拭って取り除きます。もちろん水抜き用の便利グッズを活用してもOK!また切り干し大根や干し椎茸などの乾物を利用する方法もあります。水分を吸ってくれる上に旨味がぬか床に入り込んで一石二鳥です。
■野菜の種類は多すぎず少なすぎず
例えばきゅうりが好きだからときゅうりばかり漬けていると、ぬか床が苦くなります。逆にいくつもの野菜を一度に詰め込み過ぎるのも良くありません。いろいろな野菜をバランス良く漬けることが大切です。
■清潔を保つ
容器のふちにぬかがついたまま放置すると雑菌が発生する原因になります。容器は常に清潔を保ちましょう。
■応急処置にキャベツの芯
食べてみて酸っぱすぎたり塩辛いと感じた場合は、大きめのキャベツの芯をそのまま漬けてみてください。ぬか床に甘みが加わり、マイルドに落ち着きます。
お気に入りの容器でぬか漬けを始めてみませんか?
ぬか漬けは食べ物であると同時に生き物でもあります。かわいがって手をかけるほど愛着も湧きますし、新しい発見もたくさん。まるで子育てのようでもあります。
始めるのに難しい知識はいりません。お気に入りの容器でちょっとやってみようかな。そんな気軽な気持ちを大事にしてほしいと思っています。
美容にも健康にも良くて、食べておいしい。いいことづくめのぬか漬けを、この夏を乗り切るパワーとして始めてみてください!
これからぬか漬けに挑戦するなら

初心者の方でも手軽に始められる樹脂製の『ぬかどこボックス』がおすすめ!コンパクトなサイズ感で冷蔵庫でも場所を取らず、おいしく漬けるためのポイントでもある、水抜きがしやすい構造です。ボックスの底に溜まった水を捨てるだけなので特別なグッズや面倒な拭き取り作業もいりません。かき混ぜ作業は付属のしゃもじででき、フタ付きの密閉容器なので匂い漏れもなし!さあ、この夏から手軽においしくぬか漬け生活を始めてみませんか?
執筆者プロフィール
大湯みほ/ぬか漬けマイスター
日本ぬか漬け協会 ぬか漬けマイスター/2015年お漬物PR大使/ぬかソムリエ
亡き祖母のぬか床を引き継ぎ「ぬか漬け芸人・ぬか漬けタレント」として活動。世界中にぬか漬けのおいしさや価値を広めるために、メディア出演やワークショップなどを行なっている。
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