【華道家監修】枯れにくい花はどんな花があるの?花を長持ち&元気にするポイント!

【華道家監修】枯れにくい花はどんな花があるの?花を長持ち&元気にするポイント!

家の中に生花があると、部屋が明るい雰囲気になりますよね。そんな花のある暮らしに憧れる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、花を長持ちさせるポイントについて、華道家の大谷美香さんにお話を伺いました。これから花を飾りたいと思っている方、必読です!

長持ちする切り花とは

花屋さんで売られているものの中で一番長持ちするのは、枝や葉物です。たとえば、サンゴミズキという枝や柳類はとても強く、水に活けていると下から根っこが生えてきて、3か月以上持ちます。また葉物では、葉蘭という葉っぱには殺菌効果があるので、2か月は枯れません。

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私がいけていて、かなり持ちがいいと感じるのは、菊の花です。
菊というと、昔の菊人形に使われていたような伝統的な菊の花を思い浮かべる人が多くて、どうしても地味めな印象を持たれがちなのですが、今は品種改良が進み、驚くほどおしゃれでモダンな菊がいっぱいあります。花を見て、「え、これが菊なの!?」と思うぐらいの鮮やかな菊もありますよ。

菊はもともと持ちがいい花ですが、茎をハサミで切らずに指で折って先がギザギザになるようにすると、水をよく吸い上げてさらに持つようになります。

反対に茎が柔らかい花ほど持ちが良くない傾向にありますが、せっかく部屋に花を飾るのであれば、長持ちするかどうかにはあまりこだわらず、自分が飾りたい花を飾るのがよいと思います。そのほうが晴れやかな気持ちになりますし、自分の好きな花を買って、それをどう長持ちさせるかを考えていきましょう。

花を長持ちさせる方法

花が枯れる原因は大きく2つあります。1つは風です。花はとても風に弱いので、エアコンの吹き出し口など、風の当たるところには絶対に置かないようにしましょう。

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もう1つは水です。水が腐ってバクテリアが発生し、茎の先端が腐ってしまうのです。これを防ぐためにしてほしいことが、水を換えることと水切りです。

①水を換える

とくに夏場は温度が上がって水が腐りやすくなるので、できるだけ毎日水を換えてあげましょう。そのときに花器も一緒に軽く洗うとバクテリアが増えにくくなります。また直射日光が当たらない場所に置くなど、温度が上がらないように工夫をしてみてください。マンションにお住まいなら、北に玄関があるパターンが多いので、そんな場合は、玄関がおすすめです。水は夏ならすぐにぬるくなってくるものなので、家の中のできるだけ涼しい場所を探してみてください。

②水切り

水が腐らないようにしていても、茎の先が腐ってしまったら花はもう水が飲めません。花が水を吸うのは9割がた茎の先からなのです。そこで、ボウルなどに貯めた水の中で茎の先を切ってあげます。これを水切りといいます。水の中で切ることで切り口に空気が入らず、水を吸い上げやすくなります。蛇口から流れる水をかけながら切っても効果がないので注意してください。

茎を切るときには花用のはさみでシャープに切るのがよいですが、花用のはさみがない場合は、キッチンバサミで代用できます。水が吸いやすいように、できるだけ斜めに切って断面積を大きくしてあげましょう。

水切りはすればするほど花が元気になります。花屋さんでは毎朝水換えと水切りが行われています。

水切りに注意が必要な花

水上げが悪い花にはひと工夫してあげましょう。

①アジサイ

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アジサイは茎の中に綿状のものが入っているため、それが邪魔になって水上げがよくありません。綿状の部分をつまようじなどで取り除くか、もしくは茎全体をトンカチで叩いてつぶしてやると水上げがよくなります。さらにスーパーで売っている焼きミョウバンを茎の切り口にすりこむと、長持ちします。

②テッセン、クレマチス

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テッセンやクレマチスも、トンカチで叩いて茎をつぶしてやると水上げがよくなります。

弱ってしまった花を元気にする方法

花が弱ってしまったらまずは水切りをして茎先の悪くなった部分を取り除き、それから深めの花瓶やバケツなどなんでもよいので水を10~15センチくらいの高さまでたっぷり入れて、つけておきましょう。これを「深水につける」といいます。このとき、ぬれた新聞紙でくるむと水が蒸発しにくく、なお効果的です。深水につけた花は湿気の多い浴室などに一晩置いておくと元気になります。元気になったら好きな花器に飾ってあげてください。

お祝いにいただいた花などにはよくオアシスが使われていますが、オアシスは花を持ち運ぶためのものです。家に持ち帰った後は花をオアシスから抜いて水切りし、新たに水を張った花器にいけてあげると、長く楽しむことができます。

花を長持ちさせるためのグッズ

花を飾ることをはじめて、何かをそろえたいという場合、まずは綺麗に水切りできる花用のはさみがおすすめです。最初は百均のものでもかまいません。

また、長持ちさせるための薬剤も効果があります。ただし、薬剤だけに頼らず、2日に1回ほどのペースで水換えもすることが大切です。

「水をキレイにキープする花器」は初心者にもおすすめ!

オークスから新しく発売予定の水を抗菌してくれる「ウォーターキープベース」はサイズが小さく形も可愛いので、花を活けるのが初心者の人にも使いやすい花器です。いきなり大きな花瓶にいけようとしてもうまくいかないことが多いので、一輪からはじめていただいたらよいと思います。食卓、棚など飾る場所も選びません。「ウォーターキープベース」の特徴である枯れにくい銀めっきの効果に水換えを組み合せることで、より長持ちするのではないでしょうか。

花を最後まで楽しむ工夫

せっかく買った花は、心ゆくまで楽しんでいただきたいと思います。花の元気を保つためにどんどん水切りをして、極限まで水切りしたあとはおちょこなどの小さな器に飾るのはいかがでしょうか。そして最後は花びらをコップなどに浮かべてあげれば、余すことなく楽しむことができます。

一輪からはじめてみましょう

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これからお花を飾りたいと考えている人は、ぜひ一輪からはじめてみてください。お花が一輪あるだけで部屋の雰囲気ががらっと変わって、元気をもらうことができますよ。一輪ならリーズナブルなものもたくさんあります。もちろん、お庭のお花でもいいですし、すぐ枯れてしまいますが道端の雑草を毎日摘んでくるのでも構いません。花があることで、毎日楽しい気持ちや明るい気持ちになれると思います。

花が枯れるのは、生きているからこそ。その力をもらうことができるので、ぜひ花を飾る楽しさを体験していただきたいと思います。

執筆者プロフィール

大谷美香/華道家・草月流師範会理事

大谷美香/華道家・草月流師範会理事

「るろうに剣心」「全裸監督」など数多くの映画、ドラマ、CMで、登場人物の心情を映し出すオリジ ナル性の高い生け花を制作し続けている。そのイノベーティブで芸術的な表現は多くの見る人の心をつかみ、新しい日本文化の真骨頂といえる。2018年、生け花界を舞台にした連ドラ「高嶺の花」(石原さとみさん主演)で、生け花監修を行い、 劇中に登場する全174作品の生け花を自ら制作し、一躍話題に。芸能人へのいけばな指導をテレビ番組や雑誌で行うなど、メディアへの露出も多い。伝統的な和の華道に、「今」を感じさせる革新的な表現を吹き込む新時代のアーティスト。
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